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アメリカで主流のセントラル空調。そのメリットとデメリットとは。

空調大国といわれるアメリカでは、セントラル空調システムが主流です。一方日本においても、一般家屋ではあまり使われていないものの、一部の建物には導入されています。セントラル空調システムはどのような建物に向いているのでしょうか。メリットとデメリットをご紹介します。

アメリカで主流のセントラル空調システム

アメリカの家屋では、セントラル空調が一般的です。日本の一般家屋ではあまり普及していない、このセントラル空調システムとはどのようなものなのでしょうか。

セントラル空調とは

セントラル空調は、建物の1カ所に設置した冷暖房装置により、建物全体や各部屋に冷気または暖気を送る方法の空調です。冷暖房装置から各部屋へはダクトやパイプでつながれるため、ダクト式空調ともいわれます。

このセントラル空調のうち、アメリカ国内で最もよく使われているのがフォースドエアシステムです。フォースドとは「強制」という意味で、冷気や暖気を強制的に送風する仕組みからこう呼ばれています。このほかに温水式ベースボード、スチームヒーティングなど、さまざまな熱源方式があります。

日本でもホテルやビル、病院、商業施設などではセントラル空調が使われており、延床面積10,000平方メートルの建物では主体となっています。

日本では個別空調が主流

一方で、日本の一般家屋では個別空調が主流です。ひとつの部屋に対し、室内機と室外機を一対設置する方法です。こちらは建物内部にダクトを張り巡らせる必要がないため、ダクトレス式空調とも呼ばれます。

近年では、もともとエアコンをあまり使わなかったヨーロッパでも個別空調が普及しつつあります。またアメリカでも環境配慮の観点から、少しずつ導入が進んでいます。

セントラル空調システムのメリットとデメリット

なぜアメリカではセントラル空調システムが主流となったのでしょうか。また個別空調が少しずつ普及率を高めているのはなぜでしょうか。セントラル空調システムのメリットとデメリットから、その理由を考えてみましょう。

セントラル空調システムのメリット

セントラル空調には次のようなメリットがあります。

  • 家の中に温度差がない
    すべての部屋がダクトでつながれ、同時に温度が管理されるため、家の中全体が一定の温度に保たれます。このため家の中で部屋を移動しても快適に過ごすことができます。また、ヒートショックの危険性が格段に減ります。
  • 寿命が長い
    一般的な壁掛け式エアコンの寿命は、10年が目安といわれています。これに対し、セントラル空調の寿命は30年といわれ、長く使い続けることができます。
  • 日常的なメンテナンスが楽
    個別空調では、各部屋に設置した台数分のフィルターを掃除する必要があります。しかし、セントラル空調ではひとつのフィルターを掃除するだけでいいため、日常メンテナンスの手間が少なくて済みます。
  • 音が静か
    セントラル空調は、普段の居住スペースである室内に機械がないため、音が静かです。近年ではかなり静音性に優れた壁掛け式エアコンも開発されていますが、やはりセントラル空調にはかないません。
  • 省スペース
    個別空調では設置した部屋ごとに室外機が必要となるため、ベランダが多数の室外機により狭くなってしまう場合があります。しかし、セントラル空調は冷暖房装置を1カ所に集約しているため、多くのスペースを専有しません。

セントラル空調システムのデメリット

ではデメリットとしてはどのような点が挙げられるでしょうか。

  • フロアごと・部屋ごとの温度調節ができない
    セントラル空調は、建物全体の温度を一定に保つ反面、フロアごと・部屋ごとの温度調節は苦手です。
  • 初期費用が高い
    個別空調と違い、セントラル空調は天井裏や壁の中にダクトやパイプを通す必要があります。そのため、新築時に設置する場合も総工費が高くなり、あとからの導入となると大掛かりな工事が必要となります。
  • 故障時の修理費が高い
    建物全体の冷暖房を管理できるパワフルな装置が必要となるため、万が一故障してしまった場合の修理費も割高になります。またダクトにトラブルがあったとき、天井や壁の加工が必要となり工事費がプラスされる場合もあります。
  • 故障時に全館空調停止
    セントラル空調は、ひとつの装置で全館の冷暖房を管理するため、この装置が故障してしまうと全館の空調が停止してしまいます。
  • ひと部屋に集まることが多い場合光熱費が割高に
    個別空調では部屋ごとに空調機器のオン・オフが可能です。しかしセントラル空調では常に全館の冷暖房がオンの状態となるため、ひと部屋に集まることが多い場合はほかの部屋の冷暖房は無駄となります。このため、光熱費が割高になってしまうこともあります。

セントラル空調システム導入は特性をよく理解して

セントラル空調には、このようにメリットもデメリットもあります。日本では人のいるところだけを暖めるという文化が根強く、すべての部屋を暖めるセントラル空調はあまり普及していません。しかし、ビルや病院など大きな建物には向いているため、古くから取り入れられています。また、ヒートショックの危険性が認知されるようになってからは、一般家屋にも導入が進んでいます。セントラル空調システムの導入は、特性をよく理解して検討しましょう。